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どちらを選ぶ? Flutter vs FlutterFlow
モバイルアプリケーションの開発は、テクノロジーの進歩とともに急速に進化しています。
本記事では、その中でもモバイルアプリ用のフレームワークであるFlutterとノーコードツールであるFlutter Flowに焦点を当てて、それぞれの主な特徴と利点を掘り下げます。
具体的には、料金体系、開発スタイル、アプリのカスタマイズ性、開発スピード、学習コスト、対応プラットフォームなどのキーとなる要素で比較し、最終的には、読者の皆様がニーズに合った選択をするための明確な洞察を得られるような分析と結論を提供することを目指します。
Flutterとは?
FlutterはGoogleが開発したオープンソースのUIソフトウェア開発キットです。開発者は単一のコードベースからモバイル、ウェブ、デスクトップ用のネイティブにコンパイルされたアプリケーションを構築できます。FlutterはDartプログラミング言語を使用し、高性能なユーザーインターフェースを作成するための豊富なウィジェットを提供しています。
Flutter Flowとは?
FlutterFlowは、Flutterとシームレスに連携するように設計されたビジュアル開発プラットフォームです。コードを書かずにFlutterアプリを構築するための直感的なインターフェースを提供しています。FlutterFlowの目的は、アプリ開発を簡素化し、デザイナーやビジネスユーザーを含むより広い層の人々にもアプリ開発をアクセスしやすくすることです。
FlutterとFlutter Flowの比較
料金
Flutter
Flutter自体は無料で利用できるオープンソースのフレームワークです。ただし、追加のツールやサービスを利用する場合、特定のプロバイダーが提供するサービスには費用がかかる場合があります。例えば、クラウドサービスやデータベース、認証システムなどです。
FlutterFlow
一方、FlutterFlowは、それを使うこと自体にお金がかかる場合があります。Freeプランでは、無料で使うことができますが、iOS / Androidアプリをリリースする際は、APK Downloadが必要なので、Standardプラン(月額30ドル)以上を契約する必要があります。
Standardプランの他には、Proプラン(月額70ドル)、Teamsプラン(ユーザー1人につき月額70ドル)などがあり、料金が上がるごとに使える機能が増えます。
開発スタイル
Flutter
Flutterを使用した従来のアプリ開発では、Dartプログラミング言語でコードを記述する必要があります。開発者はアプリのすべての側面を完全にコントロールできますが、コーディングスキルと経験が求められます。
FlutterFlow
FlutterFlowは、コーディング経験がないユーザーでも利用しやすい、ノーコードまたはローコードのアプローチを提供します。ビジュアルデザインとインタラクションに焦点を当て、GUI操作によって直感的にアプリ開発を進めることができます。
アプリのカスタマイズ性
Flutter
Flutterを使用すると、開発者はアプリのほぼすべての側面を完全にカスタマイズする自由があり、複雑で高度なアプリも開発することができます。
FlutterFlow
FlutterFlowは直感的なインターフェースを通じてカスタマイズオプションを提供していますが、非常に特殊化されたり複雑なデザインに関しては制限がある場合があります。
しかしながら、Dartコードを用いたコーディングによっても一部開発を進めることができるので、必ずしもアプリのカスタマイズ性がないというわけではありません。
また、ボタンやテキストなど、すでに豊富な種類が用意されているので、デザイン通りにアプリ開発を進めたい場合やこだわりが強すぎなければさほど気になる部分はないかと思います。
開発スピード
Flutter
Flutterでの開発速度は開発者の習熟度に左右されます。熟練した開発者であれば、複雑なアプリケーションも迅速に構築することが可能ですが、初学者の場合、Flutterの学習には時間がかかるため、開発にも同様に時間が必要となります。そのため、初学者が同じタイミングでFlutterとFlutterFlowを始めた場合、FlutterFlowを使用した方が1つのアプリを作るまでの時間は短いかと思います。
FlutterFlow
FlutterFlowは、特にシンプルから中程度の複雑さのアプリについて、開発プロセスを大幅に迅速化することができます。また、プロトタイピングの開発にも非常に優れた選択肢です。
学習コスト
Flutter
上記でも触れましたが、既存のプログラミング経験がない場合や、UI/UXデザインに慣れていない場合、学習にはかなりの時間と労力が必要になるかもしれません。
FlutterFlow
プログラミングの経験が少ない、または全くない人でも、直感的なインターフェースを通じてアプリを構築できます。基本的なFlutterの知識があると有利ですが、必須ではありません。
対応プラットフォーム
Flutter
Flutter 3では、単一のコードベースを使用して、iOS、Android、Web、Apple、Windows、Linux、macOSの全6プラットフォームを安定してサポートする機能が導入されています。
FlutterFlow
FlutterFlowを使って、Android、iOS、Web、Windows、Linux、macOS向けの5つのプラットフォームでアプリを構築することができます。GUI操作で簡単に各端末の画面サイズにアプリを調節することができるので、Flutterとの差はそこまでないように思います。
まとめ
本記事では、モバイルアプリ開発のためのフレームワークであるFlutterと、ノーコードツールであるFlutter Flowの比較を詳細に行いました。
それぞれのプラットフォームの料金体系、開発スタイル、アプリのカスタマイズ性、開発スピード、学習コスト、対応プラットフォームという側面から比較しました。
Flutterは高度なカスタマイズ性と広範なプラットフォームサポートを提供し、経験豊富な開発者にとって強力なツールです。一方、Flutter Flowは迅速なプロトタイピングとシンプルから中程度の複雑さのアプリ開発において素晴らしい選択肢であり、コーディングの経験が少ないユーザーでもアプリを開発することができます。
プロジェクトにおいて、FlutterまたはFlutter Flowのどちらを採用するかは、最終的には、個々のプロジェクト要件、チームのスキルセット、予算、開発の優先順位に基づくと思います。
この比較を通じて、それぞれのツールの強みと制限を理解し、ご自身に合ったツールを選択していただけると幸いです。