「AI活用しています」と言う開発会社が増えました。しかし、何社かに話を聞いてみると、どこも同じようなことを言っている。何が違うのか、どこを信頼すればいいのか、判断できないまま発注してしまった——そんな経験はないでしょうか。
「AI活用」という言葉は、今や差別化にならなくなっています。重要なのは、AIをどの工程で・どう使っているかを、数字と根拠で説明できるかどうかです。本記事では、発注者として商談の場でそのまま使える4つの質問を解説します。
「AI活用しています」という言葉だけでは判断できない理由と、本当に使いこなしている会社を見極めるための4つの質問がわかります。
「どの会社もAIを使っていると言う。でも何が変わるのか、コストが下がるのか、具体的に説明してもらえない。」
現在、多くの開発会社がCursorやGitHub CopilotなどのAIツールを導入しています。しかし「AIを使っている」ことと「AIで成果が出ている」ことは別の話です。
本当にAIを使いこなしている会社と、名前だけ使っている会社の違いは、以下の3点に現れます。
「AI活用しています」という言葉だけでは、何も判断できません。数字と根拠で答えられるかどうかが唯一の判断基準です。
要件定義・設計・実装・テストのどの工程でAIを使い、それぞれ何%の工数削減につながっているかを具体的に示せる会社が信頼できます。「全工程でフル活用」という曖昧な回答は根拠になりません。
「全工程でAIをフル活用しています」「体感的にかなり速くなっています」
「実装工程で約30%、テスト工程で約20%の削減実績があります」
AIは高速に生成しますが、誤りや抜け漏れも含みます。「AI生成→人間レビュー」のプロセスが明確でない会社は、品質リスクが高い状態で納品している可能性があります。レビューの記録が残っているかも重要です。
「エンジニアが確認しています」「問題ないレベルに仕上げています」
「AI生成後にシニアエンジニアがレビューし、その記録を納品物に含めます」
AIで工数を削減しているにもかかわらず、その効果が見積もりに反映されず、開発会社の利益になっているケースがあります。削減効果がどこに還元されているかを確認することは、発注者として当然の権利です。
「そのあたりは込みで金額を出しています」
「工数にAI削減率を乗じた形で、見積もりに明示しています」
「実績があります」と言うのは簡単です。過去のデータを具体的に示せる会社は、継続的にAI活用を改善している証拠です。逆に「ケースバイケースなので」と濁す会社は、データが蓄積されていない可能性があります。
「実績は豊富にあります」「お客様の事情があるのでお見せできません」
「工程別の削減率テーブルをお見せできます。個社の情報は伏せた形で共有します」
| # | 質問 | NG回答(要注意) | OK回答(信頼できる) |
|---|---|---|---|
| ① | AIをどの工程で使い、削減率は? | 「全工程でフル活用」 | 「工程別に削減率を数値で提示」 |
| ② | AI生成物のレビュープロセスは? | 「エンジニアが確認」 | 「レビュー記録を納品物に含める」 |
| ③ | AI削減効果は見積もりに反映? | 「込みで金額を出している」 | 「AI削減率で明示」 |
| ④ | 過去の削減実績を見せてもらえるか? | 「ケースバイケース」 | 「削減率テーブルを共有可能」 |
OKが3つ以上であれば信頼できるパートナーの可能性が高い。2つ以下であれば別の会社との比較を強くお勧めします。
4つの質問への回答が明確な会社には、共通した特徴があります。
逆に言えば、これらが揃っていない会社は、AIを「使っている」と言いながら、実態は従来の開発と変わらない可能性があります。
本記事では、AI開発会社を選ぶ際に発注者として確認すべき4つの質問を解説しました。
| 質問 | 確認したいこと |
|---|---|
| ① 削減率を数値で示せるか | AIの効果が工程別に定量化されているか |
| ② レビュープロセスはあるか | AI生成物の品質管理が明文化されているか |
| ③ 見積もりに削減効果が反映されているか | 発注者へのコスト還元が透明か |
| ④ 過去の実績データを見せられるか | 継続的な改善とデータ蓄積があるか |
「AI活用しています」という言葉だけでは、何も判断できません。4つの質問を商談の場で使うことで、本当にAIを使いこなしている会社かどうかを見極めることができます。発注者として「根拠を求める姿勢」を持つことが、失敗しない発注の出発点です。